第69回セミナー[資料] 東京都がめざす2030年のグリーンビルの姿 ~特に新築建物に係る条例強化の方向性について

 

第69回GBJセミナー

 

 

東京都がめざす2030年のグリーンビルの姿 ~特に新築建物に係る条例強化の方向性について

2022年6月20日(月)オンライン開催

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ダイジェスト

 

東京都の宇田様から、「都がめざす2030年のグリーンビルの姿」特に新築に関係するところについて、まだ検討中のところですが、条例強化の方向性についてお話いただきました。

 

講師:宇田 浩史 氏 東京都環境局地球環境エネルギー部 建築物担当課長

 

 

1. 全体像と大規模建物対策(新築)

 

 

2. 中小規模建物対策(新築)

 

 

3.  Q&A

 

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Q1. 低炭素資材の取り組みについて、木材のほかにどのような資材を想定されていますか?

 

コンクリートや鉄鋼が資材としては極めて重要であることは認識している。一方で、これらの低炭素製品は、まだ技術実証段階にあると考えている。今後それらの製品群が、市場に投入されてくると思うので、そうしたタイミングで評価の方法や考え方の議論の進展も踏まえ、適切な評価が行えるようであれば、制度を改めて見直していくことも必要だと考えている。

 

Q2. 都の評価・公表情報が企業活動に与えるメリットはどんな内容だと考えますか?メリットに紐づかないと取組みが進まないと思います。

 

都の公表制度は、海外投資家にとって好評だったと聞いている。今後は増えていくと認識している。

 

Q3. 再生可能エネルギーの強化について、今後増えていく物流施設に求められる姿、視点等ございましたらご教示いただけますでしょうか。

 

制度設計の際は、建物における日照のポテンシャルを考えていた。その中で、物流施設は非常にポテンシャルがあると考えている。 特に都内にも物流施設が多いので、再生可能エネルギーの発電ができる施設として期待している。 ルーフトップソーラーは、比較的環境負荷は少なく設置可能で、都市部でも発電ポテンシャルがある優れた再生可能エネルギーの利用法であると考えているので、是非普及してほしい。

 

Q4. ニューヨークやロンドンなど、海外の大都市では、2030年、2050年を見据えた建物をの電化の動きがみられると聞いていますが、それも、建物ごとに削減シナリオを描いて初めて戦略が見えてくると考えられます。シナリオを描くこと義務づける、ということは想定されているのでしょうか。

 

建物電化義務の視点で回答をさせていただくと現時点で再生可能エネルギー、発電分野が多いので、電化をすることが有利にはなるが、 必ずしも電化だけでなく、他のエネルギーもあるので、建物単体では、他のエネルギーも考慮すべきだと思われる。 一方、エネルギー有効利用制度があり、地域で面的にエネルギーを有効利用するという側面では、開発地域における長期的なビジョンをもとにシナリオを考える制度がある。

 

Q5. 断熱性能についてですが、海外の基準に比べて日本の基準はかなり低いといわれています。今回の東京都の基準を強化することにより海外の基準と比較してどの程度まで向上すると理解すればよろしいでしょうか。

 

非住宅に関係する部分であれは、パルスターという指標があり、外皮性能評価ではなくペリメータエリア(窓際/壁際から5mを評価する)の負荷をさげる制度で、海外と比較するのは難しい。住宅については、外皮性能はUA値で評価しているので、海外と比較はできると思うが、0.87というのはまだまだ低いという認識。おそらくドイツは、北海道と同じ基準くらい。大手住宅メーカーも断熱という基準を考えて作られているので、非常に悪い断熱の住宅はなくなっていくのではないとかと思われる。

 

Q6. 既存建物や既存集合住宅について、既存不適格として環境性能をそのままとして残す方向になるのでしょうか。

 

訴求適応はない

 

Q7. 「売買・賃貸時」の性能表示に関しては既存運用時のパフォーマンス評価が必要になってくるかと思いますが、それをベンチマークをしていくときのベースライン(都独自の基準)の立て方については検討を始めていらっしゃるのでしょうか?

 

非住宅の建物については、対策制度があり、ベンチマークは作っている売買賃貸時の性能表示は改めて制度設計はしないといけないが、参考のベースラインはできていて、建物の特性に合わせて微調整(補正)をかけて評価基準にしていくのはもう少し先になりそう。

 

Q8. V2B,V2Hは蓄電池の充放電を伴うので、通常の使用より電池の寿命を縮めることになり、EV所有者の同意を得にくいと思うのですが、何か導入に伴うインセンティブはお考えでしょうか?

 

V2H導入のインセンティブは、非常時に3-4日間、EVの蓄電池だけで電気供給できるメリットがあるし、ルーフトップソーラーがあれば、自動車(EV)もゼロエミッション化できるうえ、充電に必要な電気代もかからない。ちなみにV2Hは急速充電ではなく、倍速充電バッテリーへの影響も少ないのではないかと思う。

 

Q9. 再生可能エネルギー推進を進める中で、インセンティブ/補助金などの制度は考えているか?

 

ここ10年設置コストへの支援制度を行っているが、この先どの程度までの支援をしていくのかは検討。 個人的には充分だとは思っている。 金銭的な支援だけではなく、今後はリサイクルの観点なども重要になっていくのではないかと思う。

 

 

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