LEED フェローの Diego Felipe Prada 氏が、生物多様性と建物の関係についての洞察を語ります。
生物多様性のコンセプトは、私達の建築・都市環境とどう関係しているのでしょうか。生物多様性と自然へのアクセスがなければ、私たち自身も存在できないことがわかってきました。都市が拡大するにつれ、生態系を保護する取り組みは益々重要視されるようになっています。世界人口の半分以上が都市環境に住んでいます。つまり、このまま拡大を続ければ自然空間を失う可能性があります。私たちは都市、農村、その他の人間の居住地で自然とより良い形で共存する方法も見つけなければなりません。
人間と環境のつながりを再評価する取り組みが進む現在、私たちは、環境が私たちに多くの恩恵をもたらし、私たち自身の存在を保証するために環境を保護しなければならないことを知っています。しかし環境の健全性を再構築する方法は、おそらく最も重要な問題です。そのためには、この歴史的および概念的な背景すべてが、自然に優しい建築を定義する変数は何か、そして建築環境が自然環境とより良い繋がりを持つにはどうすればよいかを決定する上で役立ちます。
LEED評価システムの利点のひとつは、サステナブルな建物を定義する方法のガイダンスです。加えてSITES評価システムは、屋外スペースを設計する方法、影響を軽減する方法、さらには生物多様性を促進し、人間の開発と自然が共存できる空間を作り出す方法を明らかにします。より広いエリア対象では、LEED for Cities and Communitiesが、生態系評価、緑地、天然資源の保全と修復などの関連するクレジットを提供しています。
自然は、その独自の力学のもと、複雑で補完的な機能のバランスを実現しており、私たちはそれをできる限り保護しなければなりません。自然がもたらす良い影響は計り知れず、その変数は定義できず、私たちが知っていることや私たちの言葉で定義しようとしていることを超えています。自然環境とその生物多様性なしに地球を想像することは不可能であり、自然を守りたいという私たちの願いは、自然界と足並みを揃えて子供たち自身の人生の可能性と健康を確保することなのです。
USGBC articles 原文(2024.7.31)
https://www.usgbc.org/articles/biodiversity-and-buildings-our-relationship-nature
