2023年12月5日
Deisy Verdinez
米国グリーンビルディング評議会(USGBC)による初のレポートが、30 年間に及ぶセクターデータを分析し、脱炭素目標達成に向けた全50州の道筋を示しています
2023年12月5日(アラブ首長国連邦、ドバイ)-グリーンビルディングの第一人者であり、LEED グリーンビルディング・プログラムの世界的な開発機関である米国グリーンビルディング協議会(USGBC)は、米国の商業用不動産セクターに関する初のレポートを発表しました。30年間のデータを分析した「脱炭素の現状」:COPでリリースされた「the State of Decarbonization: Progress in U.S. Commercial Buildings2023:2023年の米国商業ビルにおける脱炭素への取り組み」によると、米国は商業用不動産の脱炭素化において、大きな進展を遂げているが、そこには格差があることがわかりました。
世界的なサステイナブル企業アラップと共同で作成された「脱炭素化の現状」レポートは、主要な過去データを提供すると同時に、将来の改善に向けて的を絞った課題を示しています。近年排出量が増加している冷蔵倉庫や、1980年以前の建物が米国の商業用総床面積の40%近くを占め、2022年のインフレ抑制法で拡大される商業用エネルギー効率税控除の半分近くを利用できるなど、より早く脱炭素化できる可能性の高い分野を特定したことは重要です。
このレポートは、米国が建物関連の排出量を削減するために必要なツールを有し、連邦政府の新たな資金が、不動産セクターに、重要な改善を迅速かつ広範囲に全国展開するための直接的な機会の提供が可能なことを明確に示しています。例えば、インフレ削減法のクリーンエネルギーおよび気候変動対策条項からの投資により、建築セクターは2029年のパリ目標に占める割合の早期達成が可能です。
USGBCが長年提唱してきた実証済みの脱炭素戦略が採用可能になり、コスト競争力も高まることで、商業ビルの炭素集約度は平均で37%低下し、エネルギー効率は26%向上しました。しかし、こうした大幅な削減にもかかわらず、建物の総床面積が大幅に増加したため、商業ビルのセクター全体の排出量は1990年以来横ばいで推移しています。
USGBC articles 原文(2023.12.5)
https://www.usgbc.org/articles/new-report-us-has-tools-it-needs-must-rapidly-and-widely-deploy-normalize-decarbonization