回答は最新の情報でない場合があります。最新情報や技術的な内容はLEEDコンサルタント会社などへご相談ください。
3-1. コミッショニングの項目には「Fundamental」と「Enhanced」があるがCxAの要件に違いはあるか。
FundamentalではCxAは設計者・施工者と同法人内でも別の立場であればよく、十分なコミッショニング経験を有している人ならインハウス技術者でもOKですが、EnhancedではFundamentalの経験に加え独立した第3者としての法人または個人を指名する必要があります。
3-2. LEED APとコミッショニング責任者との関係はどのようになっていますか?
プロジェクトを円滑に進めるために、プロジェクトチーム内でLEED APがLEEDの専門知識を提供することは有効ですが、必須ではありません。コミッショニング責任者は設計施工運用の知識や経験を元に、施主が期待している建物への要求事項を品質管理的に実現することに責任があり、LEED APとは直接的な関係はありません。
3-3. 次回バージョンでは、ZEBも評価対象となる見込みという記事を見たのですが、次回バージョン(v5)はいつごろ切り替え予定でしょうか?
LEED v5 については先日パブリックコメントの募集が行われ、2024年5月24日に締め切られました。USGBC関係者によれば、世界中から非常に多数のコメントが寄せられており、その整理や議論にはある程度の時間がかかると思われます。v3からv4に移行する際にパブリックコメント(意見聴取)を行って数年かかりましたので、v5への移行はまだかなり先と思われます。現在のところv5の具体的なスケジュールはアナウンスされておりません。(2024年6月)
3-4. ZEBに対する評価は、ZEBreadyであれば1点、NearlyZEBであれば2点というような評価項目を予定されておりますでしょうか?それとも、もっと評価項目として点数の重みづけが大きいでしょうか?
ZEBかどうかで点数が決まるかについてもまだ、アナウンスがありません。なお、「ZEBready」「NearlyZEB」は現在日本だけで通用する言葉だと思います。(2019年4月)
3-5. 日本における保存再生が行われた建築物を評価する場合、どの分類が適用され評価するのかお伺いしたいです。省エネ法との兼ね合いもあれば教えていただきたいです。また、そのような日本での認証事例があれば教えてください。
LEED認証と日本の建築物省エネ法との直接的な関係はありません。
(ちなみに、現在、建築物省エネ法で新築建物での基準適合義務化が進んでいます。既存建築物については大規模改修での適合義務はありますが、従前のまま使用する場合の適合義務はありません。ただし適合すると「基準適合認定」を公的に得て表示することが可能です) LEEDでは、既存建築物や歴史的建造物の再使用を資源環境の観点から重視しており、以下のクレジットがあります。
BD+C(建物の設計と建設)~MR(Material)クレジット:建物のライフサイクル環境負荷低減 選択項目1.歴史的建造物の再使用 以下のSGBDサイトにある「LEEDv4建物設計と建設建設」P90をご覧ください。 https://www.usgbc.org/sites/default/files/LEED-v4-BDC.pdf
また、歴史的地区にある建築の保存再生の場合は、 BD+CのLT(Location and Transportation)クレジット:優先度の高い敷地High Priority Siteの選択項目に「歴史的地区Historic District」があり適用できる可能性があります。
これは、プロジェクトを歴史的地区に(アーバン)インフィルとして立地させ、適切な活用で地域の保全を図るという趣旨です。 エネルギー、水、室内空気質などの他の環境評価項目で、歴史的建造物を特別に扱う規定はありません。
3-6. LEED認証は何年毎に更新を行っていますか?
LEED認証の更新に時期は定まったものがございません。
現在はLEED v4とv4.1です(2016/11の登録分よりv3からv4に完全移行しました) その前はLEED v3(v2009)でした。
(現在一部LEED O+Mについてはv4.1beta versionです) wikipediaでは以下です。
LEED NCv2.2 in 2005,and LEED 2009(previously named LEED v3)in 2009.LEED v4 was introduced in November,2013.Until October 31,2016,new projects could choose between LEED 2009 and LEED v4.New Projects registering after October 31,2016 have been required to use LEED v4.
現在LEEDの大幅な改定予定はv5への移行が発表されていますが、具体的なスケジュールは決まっていません。したがって当面はv4とv4.1の適用が継続すると考えられます。v5への移行が決定したら、ある程度の猶予期間が設定されて移行スケジュールとともに発表されると思われます。
もし、最新の状況をいつでも得たい場合は、紙ベースのレファレンスを買うのではなく、 https://www.usgbc.org/resources/web-based-reference-guide-all-rating-systems
にて年間99ドルのWEBベースのレファレンスガイドアクセス権を購入するのが良いと思います。 いつでも最新のクレジット内容を見ることができます。 (これにはUSGBCにてID(無料)を作る必要があります)
3-7. LEED認証を取るためには、太陽電池を全体の消費電力の何%の割合を設置しないといけないのでしょうか?何か基準はありますでしょうか。
基本事項は一般論として回答させていただきますが、詳細はUSGBCホームページでの検索やReference Guideと呼ばれる解説書を購入いただき、確認をお願いします。
LEED認証制度は建物用途(一棟全体、コア&シェル、学校、物販、データセンター、倉庫物流、病院)や種類(新築、既存改修など)で異なっており、お問い合わせいただいた太陽電池(=Renewable enegy)が全消費電力(Building’s total energy use)の何%あれば、再生可能エネルギー導入のクレジットの加点対象(新築で最大3点、既存改修で最大5点)となるかは、計算方法も異なります。また、新築の場合は発電量ではなくコスト換算で計算しますが、年間のエネルギー消費総量から再生可能エネルギー分を差し引いたネットでの削減率(コストベース)に応じて加点されます。(v4からは、必須要件には再生可能エネルギーはカウント不可)
更に、Renewable energy(太陽光、太陽熱、水力、風力、バイオマスなど)は敷地内だけでなく、外部からのグリーン電力証書購入も加点対象となります。詳細のご相談が必要な場合は、GBJのホームページに掲載しております各コンサルタント会社へお問い合わせいただければと思います。
3-8. 「塗料」はLEED認証でのCDPHによる試験対象なのでしょうか。
対象です。VOC放散量の要件はCDPHで規定されており、VOC含有量要件も別基準で規定されています。両方を満たす必要があります。
3-9. 喫煙所について日本では特別な処置があるということですが、この特別処置は現在でも行われているのでしょうか。
現在のLEED v4とv4.1では、日本国内で条例で路上喫煙禁止区域またはそれに類する行政指導がかかる地域においては特別ルールが適用されます。ルールの詳細は以下をご覧ください。
https://www.usgbc.org/node/8263351?return=/pilotcredits/all/v4
また、GBJでは、日本初のLEED準拠喫煙ルームを有する近三ビル(LEED O+M)の見学会を開催しました。有料会員の方は、見学会の概要も以下からご覧いただくことができます。
https://www.gbj.or.jp/seminar45data/
将来移行が予定されているv5でもこの日本特例が引き続き設定されるかは今のところ未定です。2024年5月24日に締め切られたパブリックコメントの募集では、日本特例の継続について日本から多数のコメントが提出されたようですが、将来どのような対応となるかは現在のところわかりません。
3-10. LEED貢献ポイントについて、V3からV4に基準が変更になったことについて、家具業界でもV4対応が必要なのかどうか、教えてください。
「家具業界でのLEED v4対応」については、有機化合物(VOC)の含有量、EPD認証、Cradle to cradle認証などが関連すると思われますが、家具業界の製品を全て把握することは困難なので、推測の範囲となります。また、LEED v3からv4に移行しましたが、家具業界への具体的な影響は把握できておりません。(2018年12月)
3-11. LEED Communityについて教えてください。
LEED v4.1 for Cities と LEED v4.1 for Communitiesが現在運用中です。 下記ページをご覧ください。 https://www.usgbc.org/leed/rating-systems/leed-for-cities
https://www.usgbc.org/tools/leed-certification/cities-communities
リファレンスガイドも公開されています。以下のURLからダウンロードできます。
Plan and Design draft <https://build.usgbc.org/citiescommsplan41>
Existing draft <https://build.usgbc.org/existingcitiescomms41>
3-12. LEED O&Mの対応、取り組みを行いたく、特にグリーンクリーニングの実践をしたいと考えています。グリーンクリーニングのノウハウ提供企業のご紹介をいただけますか?
グリーンクリーニングには、洗剤や清掃機材の選定と、それらの指針となるポリシーの策定なども含まれます。グリーンビルディングジャパン(GBJ)の法人会員で、ご紹介できる洗剤の提供企業は下記の1社となります。
社名:プロシオン ジャパン
また、ポリシー策定など、グリーンクリーニング全般のご相談はホームページに記載してありますLEEDコンサルタントでO+Mを取り扱う会社へご連絡いただければと存じます。
3-13. 環境認証におけるBIMモデル連携の模索を行いたいので、情報交換できませんか
BIMとの連携については、テクニカルWGにて勉強会形式で検討を進めておりますが、WGメンバーは会員のみとなっています。BIMのLEED認証活用のご提案を勉強会等でいただくなどのご協力は、大変ありがたく思います。
なお、BIMをLEED認証へ活用させる方策については米国では盛んに行なわれており、LEED BIMで検索すると多くのレポートやアピールが見受けられ、同分野の事情はそちらで概観いただけるかもしれません。
3-14. お話を伺いたい
GBJは会員有志の非営利活動を前提に有償無償のボランティアベースで成り立っている団体です。 現時点では、専任の担当者もいないため電話でのお問い合わせ窓口は置いておらず、残念ながらご訪問いただいてお話を伺う体制にありません。
しかしながら、LEEDやWELL等に強い興味を持っておられる企業(法人会員)や個人(正会員)が、多種多様な業種(ディベロッパー、設計事務所、施工会社、建材・資材メーカー、什器メーカー、エンジニア会社、ビル管理会社、コンサルタントなど)からGBJの活動にご参加くださり、日本でLEEDやWELL等を使いやすくするための議論を重ねてきています。また、そこでの知見を、月次のセミナーなどでマーケット参加者にフィールドバックする取り組みも続けており、こちらは会員(原則無料)、非会員(有料)でご参加いただくことができます。
3-15. USGBCと協議済みの(日本の状況に合わせた)代替案は?
・v4より館内全面禁煙が必須項目となったが、屋外での喫煙が禁止されている等の条件を満たしている場合に限り、屋内に喫煙室を設置することができるようになった実績があります(日本のみで適用できるACP)。本ACPの策定は、日本の実情に合わせてLEEDを活用・普及できるようGBJの多くの理事や会員がUSGBCと時間をかけて協議してきた成果です。
3-16. LEED V4の屋内水利用に関する設備の要件は?
v4での節水項目(必須、選択)はPathが2つあり、 Path1ではすべての個別器具で規定の%(20、32、50%等)削減できることを証明します(Path 1は必須項目にのみ適用可能)。
Path2では、屋内の水(大小便器、蛇口、給湯、シャワー)の総量での削減率を計算で示します(Path 2は選択加点に適用可能)。
なお、雨水中水利用による削減は、必須項目(Prerequisite)では適用できませんが、選択項目の計算には加えることができます。
詳しくはUSGBCのサイトをご覧ください。https://www.usgbc.org/credits
3-17. 「LEED V4and the Green Power Credit」においてオフセットとして米国のグリーン電力証書Green-eが使えるとなっています。日本のビルのLEED認証においてもGreen-eを購入すれば使用することができポイントが加算されますか。
リファレンスブックP.456には’Projects outside the U.S. that cannot find local products that meet the Green-e standard or equivalent can still achieve this credit by purchasing Green-e certified products from the U.S.’とあります。 またP.462には’Projects outside the U.S. are not required to purchase products from the country in which the building is located.’とあります。
従ってお見込みの通り、米国のGreen-eを購入すればLEED認証のポイントに加算することができると解釈できます。
なお、グリーン電力証書とカーボンオフセットは種類が異なりますのでご留意ください。(LEEDの計算上、グリーン電力は電力消費の削減分のみ、カーボンオフセットは電力以外も含めて削減可能です)。
詳細についてはリファレンスガイドを購入されるか、LEEDコンサルにお問い合わせることをお勧めします。
3-18. 平成27年7月に日本で公布された建築物省エネルギー法で、省エネ性能表示(BELS)が定められていますが、ここで5つ星が取れるとすると、LEED v4 BD+CのEA Credit (Optimize energy performance)では何点程度が取得できるものなのでしょうか。
省エネ法での計算とLEEDでの計算とでは、評価の際の基準となるベースビルの性能も計算方法も全く異なるため、残念ながら具体的な数字でお答えすることはできません。特に省エネ法が変わり、LEEDも変わったばかりなので定性的な比較もなかなか知見がそろっていないのが現状かと思います。
3-19. テナントビルの空調方式として、電気エネルギーとガスエネルギーを比較した場合、電気エネルギーの方が、当然、電気使用量は上がりますが、生産~使用までのCO2排出量ではガスエネルギーの方が排出量が多くなります。この場合、グリーンビルディングの考え方としては、CO2排出量が少ない電気エネルギーの方が、評価が高いという事になるのでしょうか?
これまでは、LEED認証のエネルギーに関するクレジットとしては、建物での消費段階でのエネルギー消費削減量が「コスト換算で」評価され、そのエネルギーが創出される際のCO2排出量は評価に影響しませんでした。2024年3月1日以降は、建物での消費段階でのエネルギー消費削減量を、「コスト換算」または「絶対量」で評価した結果と、「温室効果ガス」で評価した結果の合計でポイントを決定するように改定されました。 なお、電気はどのような手段で発電するかによってCO2排出量の原単位がかなり変動しますから、一概に電気VSガスの議論はできません。
3-20. 建物での消費段階での「コスト換算」とはどのようなものでしょうか?単純に電気代金、ガス代金という事でしょうか? もしくは、決まった「コスト換算」に沿った係数計算のようなものがあるのでしょうか?
「コスト換算」とは当該プロジェクトで使用する電力会社、ガス会社、燃料会社、地域熱供給会社などのエネルギー単価でコストに換算したものを言います。LEEDとして固定的に定める単価や換算式のようなものはありません。
詳しくは、LEEDコンサルタントに依頼するか、LEED reference guide やUSGBCのWEBサイトにある、各クレジットの内容が示されているLEED credit library にてEA評価項目のエネルギー使用関係のクレジット(Minimum energy performance等)をご覧ください。
3-21. LEED認証を得る、あるいはそれに必要なポイントを得るための、水栓器具についての必要条件を教えていただけますでしょうか。
水栓器具に関連の深いLEED認証の評価項目はWE(水の効率的利用)です。 LEEDでの各評価項目の基本条件概要を記したLEED v4 Rating System がUSGBCサイトで無料公開されており、 WEの基本をご覧いただけます。
この資料は、2017年1月より日本語翻訳版も公開されています。 翻訳版に協力したGBJのWEBサイトにてもリンクしております。
https://www.gbj.or.jp/leedv4_ratingsystem_japanese/
また英語のみですが、USGBCのWEBサイトにLEED v4 での「水」に関して解説する教育用のページがあり、こちらで Indoor water use reductionの項目 やIndoor water use reduction calculatorをお調べになることをお勧めします。 http://www.usgbc.org/articles/leed-v4-education-water
3-22. LEED認証のWater Efficiency-Cooling tower water useの項で、クーリングタワーのサイクル値に対するポイントが設けられておりますが、濾過レベルを超えることなく、また冷却水システムの動作に影響をおよぼすことなく到達できる最大サイクル値(最大 10 サイクルまで)とは、どのような意味でしょうか? 補給水が濃縮した時の水質をパラメータ記載の数値以下、尚且つ10倍以下のサイクル(濃縮)で管理すれば1ポイントになる理解で良いでしょうか? 補給水中の塩分濃度が低く、10倍を超える濃縮が可能な場合でも、10倍以下に管理するほうがポイントになるということで理解すれば良いでしょうか?
基本的にお考えの通りです。ただし「補給水中の塩分濃度が低く、・・・」につきまして、 対象5含有物のうちのひとつChlorideは、正確には(Naも含む「塩分」ではなく)塩化物イオン(Cl-)です。
LEED認証での水に関する項目は、飲料水(Potable Water)使用の適切な削減を評価しています。 クーリングタワーでは、蒸発や飛散によって循環水の濃度レベルが上昇することによるクーリングタワー機能の低下を防ぐために、 濃度レベルが上昇した循環水の一部を除去(ブローダウン)し補給水(メイクアップウォーター)を加えます。 循環水を妥当な濃度範囲内に押さえつつ、飲料水(Potable Water:上水・井水など)による補給水の量を減らすことがLEED認証の「WEクレジット:クーリングタワーの水使用」で評価され最大2ポイントが獲得できます。
「クーリングタワーのサイクル値」というのは、クーリングタワーの循環水の濃度倍率(サイクル)を指し、カルシウムや塩素など5種類の含有物の許容最高濃度(ppm) を実際の補給水の一回の実測分析値によって除した値から導かれます。補給水の5種類の含有物によるいずれかの「サイクル数」で最も少ない値が上限の「サイクル数」となります。 ただし、このサイクル数は補給水の一回の実測分析値によるものでばらつきや変動も想定されるのでシステムの信頼性を確保するために、この方法による場合の実際の管理は最大10サイクルを上限に制限しているものと思われます。これにより1ポイントが獲得されます。 なお、補給水の処理により含有物の濃度が低く、10倍以上の濃縮サイクルが可能な場合には、冷却水または補給水の処理レベルを上げている方法と計算を示すことで2ポイント獲得することができます。
なお、ご覧になったLEED v4 Rating System には、クレジットの意図と条件のみが記載されていますが、 更なる解説は「LEED Reference Guide for Building Design and Construction」で確認することができます。USGBCのWEBサイトにて購入できます。
http://www.usgbc.org/resources/leed-reference-guide-building-design-and-construction
実際の状況によっても違ってきますのでLEEDコンサルタントに相談されることもお勧めします。
3-23. WEの評価項目で、洗浄水量を求める際の小数点以下の扱いにルールはあるのでしょうか。有効数字の決まりや、切り上げ・四捨五入などあれば教えて下さい。ルールがない場合は、各社の判断となりますか。
LEEDの申請は、専用サイト(LEED Online)の専用フォームに入力する形で行います。 同フォームに入力すると自動計算されますので各社判断は入りません。 ご参考まで、小数点以下3桁で四捨五入、小数点以下2桁表示が同フォーム入力時の共通ルールとなっています。
3-24. LEED認証を受けるにあたり、ISOの環境ラベルⅢをとることで具体的にどんなポイントが高くつくのでしょうか。 また、環境ラベルⅠ,Ⅱではだめなのでしょうか。
プロジェクトにおいて、ISOのタイプIII、環境情報を適切に表示された製品を20品目以上用いると、Building Product Disclosure and Optimizationというクレジットで 1ポイント取得できます。
こちらは、環境情報開示(EPD)に着目したクレジットですので、基本的にタイプIIIの製品を多くもちいることを求めています。タイプI、タイプIIに関する言及はありません。 ただし、EPDに関して第三者認証を得た品目については0.5品目として数えることができます。また、ISO14044 に合致した厳格なライフサイクルアセスメントを行っている 品目については、0.25品目として、カウントします。×0.5、×0.25の低減はありつつも、タイプIIIを完全に満たしていない製品も同クレジットのカウントに加えることが可能です。
3-25. LEED 2009からLEED v4への変更点をお聞きしたいのですが、特にMR(材料と資源)EQ(室内環境品質)の評価項目について詳細を教えてください。
建材に関しまして、v2009からv4への大きな変化は、製品情報の開示、開示情報の客観性(第三者性)、企業ぐるみの取り組みの情報開示の3点です。
製品情報に関しては、低環境負荷であることを証明するだけでなく、原料採取や製造工程も含めたLCA、VOC含有量・放散量の開示もクレジットへ影響します。
v2009までは、建材の工事規模に占める金額割合が影響しましたが、v4では金額の多寡にかかわらず建材1種類あたりでカウントするような計算方式になりました。 情報開示を整えた建築材料は複数のクレジットにまたがって加点に寄与できる点も特徴のひとつです。
3-26. LEED認証のために必要な清掃機器の条件について教えてください。 LEED v4 既存建物の運用 – 保守)の中の“EQ必須項目:低環境負荷の清掃ポリシー”では、Requirementとして、米国のグリーンシールやISSAのCleaning Industry Management Standard – Green Buildingとともに現地の同等の基準ということが記載されています。 日本では同等基準となるようなガイドライン等ありますか?
GBJではLEEDの普及促進の為、出来る限りの回答を心がけていますが、当法人で有する情報には限りもあり、更なる詳細についてはLEEDコンサルタント会社へのお問い合わせも検討願えればと思います。
LEED O+Mの必須事項に「低環境負荷の清掃ポリシー」があり、目的として「空気質、人の健康、建物の仕上げ、建物のシステム、及び環境を損なう化学的汚染、生物学的汚染、及び粒子による汚染のレベルの低減。」が掲げられています。
実現方法には2つの選択肢があります。
1.清掃製品と材料調達、清掃用具について清掃ポリシーを作成
2.米国基準と同等の認定を受けた清掃サービスプロバイダーで清掃
今回のお問い合わせは、2番目で米国基準と同等の基準と認定されている国内の基準があるかどうかということですが、「12ヶ月以内での第三者認定」や「清掃請負業者は、建物の清掃に使用するエネルギー、水、及び化学剤の削減を促進する目標と戦略を策定」などの高いハードルがあるので、実例としては承知していません。
GBJでは日本に同じ意図をもってつくられた同等の基準があった場合は、それを同等として使えるように会員の皆さんと一緒に働きかける活動も進めています。また、別の活動として、マテリアルWGがあり、国内でのLEED関連製品を紹介しています。
3-27. LEED O+Mの必須事項の「低環境負荷の清掃ポリシー」のOption1の自社で清掃ポリシーを作成を選択した場合は、CreditのGreen Cleaning—Purchase of Cleaning Products and Materials とGreen Cleaning—Cleaning Equipmentを厳守しないといけないでしょうか??
どのようなケースを想定されているか不明ですが、米国基準に必ずしも合致していなくても、同等以上の性能を持つことを示して日本製の製品・用具で代替するなど、審査での交渉の余地はあります。 また、ポリシーの書式についてもある程度の自由度はありますが、正確性・迅速性を要する場合はLEEDコンサルタントへお問い合わせされることをお勧めいたします。
3-28. LEED認証取得において、設計後審査での申請内容に対して、施工後審査でポイント獲得対象クレジット項目を追加し申請することは可能でしょうか? 具体的には、評価項目「MR:材料と資源」のクレジット2「建材の情報開示と最適化-製品の環境情報の明示」項目が施工後申請で追加できないかどうかが知りたいです。 また追加不可の場合は、下記についても教えてください。 設計後審査申請ではEPD認証取得対象品目における認証取得計画を開示のうえ取得対象クレジット項目としては挙げておき、施工後審査の時点でEPD認証レポート添付する、ということは可能でしょうか?(EPD認証レポートの準備が設計後審査までに間に合わないケースを想定しての質問です)
LEED BD+Cの審査(Review)は、設計段階と建設段階を分けて審査を受ける方法と、一緒に審査を受ける方法が選べます。 もし分けて審査を受ける場合、それぞれの段階で初回審査、最終審査、また別費用が必要となるアピール審査があります。どの段階でも新たにチャレンジする項目(credit)を追加することはできます。
設計段階と建設段階を分けずに一緒に審査を受ける場合でも、初回審査、最終審査、また別費用が必要となるアピール審査のどの段階でも新たにチャレンジする項目(credit)を追加することはできます。
今回のお問い合わせの場合、 LEED BD+C v4評価項目「MR:材料と資源」のクレジット2「建材の情報開示と最適化-製品の環境情報の明示」項目は、 建設関連項目なのでデザイン段階の審査(Design Submittal)に含めることはできません。 建設段階審査(Construction Submittal)の初回審査(Preliminary Submittal)で提出し、不備があれば建設段階審査(Construction Submittal)の 最終審査(Final Submittal)で修正追加をすることになります。それでも却下された場合には、有償のアピールで再チャレンジの最後のチャンスがあります。
審査手順の概要については、USGBCのWEBサイト:Guide to LEED Certification: Commercial BD+C, ID+C, O+M
https://new.usgbc.org/cert-guide/commercial
の「Review」に解説が記載されていますのでご参照ください。