Q&A(7) WELL評価項目・要件

回答は最新の情報でない場合があります。最新情報や技術的な内容はWELLコンサルタント会社などへご相談ください。

 

7-1. WELL認証の具体的な必須項目と選択加点項目、得点配分と合格点等はどうなっていますか?

「具体的な必須項目と選択加点項目、得点配分と合格点等」は、WELLには認証システムのVersion(v1とv2 Pilotがあります。)により異なります。概要はGBJサイトの「WELLとは」にあります。
https://www.gbj.or.jp/well/about_well/
詳細ドキュメント(日本語資料もあります)は、IWBIサイトのResources のToolsより無料で入手できます。
(2024年8月)

7-2. Featureに複数の評価要件Partがある場合、全てを満足しないと当該Featureの達成とならないのでしょうか?

「Preconditions:必達項目」ではFeatureの全てのPartを達成する必要があります。
「Optimization:加点項目」では、v1の場合は当該Featureの全てのPartを達成するとポイントを得られます。一方、v2の場合は、当該Featureの全てのPartを達成する必要はなく、達成したPart毎でポイントを得られます。
(2019年12月)

7-3. WELL認証の100項目の他にある、イノベーションポイントについて。 どのような建物でも評価を受けるものなのでしょうか? 得点によって、認証のランクは変動するのですか?

イノ―ベーションポイントとは
1)WELLで規定されている要件に無いが、人の健康・wellnessに良いことを実施している場合
2)WELLで規定されている要件に有るが、要件よりはるかにレベルを超えて人の健康・wellnessに良いことを実施している場合
に申請し、承認されれば加点が得られるもので、ボーナスポイントのようなものです。
イノベーションポイントの点数も含めて総合の点数により認証ランクが決まります。
イノベーションポイントは、v.1では最大5点、v.2では最大10点まで取得可能となっています。 (2019年12月)

7-5. WELL認証の評価内容には「Preconditions:必達項目」と「Optimization:さらなる快適性を実現するための項目」に分かれていると思うのですが、Preconditions項目のほうが達成難易度としては低く、Optimization項目のほうが難易度が高いのか、もしくは、両項目とも対象とする内容が違うだけで難易度としては同等のものといえるのでしょうか。

「Preconditions:必達項目」は一つでも達成できない項目があるとWELL認証されません。 つまり「Optimization:さらなる快適性を実現するための加点項目」 よりも重要であると位置づけられていますが、 容易かどうかはプロジェクトの特性によって異なりますので一概には言えません。 Preconditionsでの要件の値よりも困難なより高い値の達成で得られる「Optimization」項目も複数あります。 (2019年12月)

7-6. 欧米の規格(IES/ANSI)ベースになっている項目がありますが、今後は日本版に関して日本規格(JISや日本照明学会)ベースに改定することはあるのでしょうか?

WELLには、 AAP/EP (Alternative Adherence Paths、quivalency Proposal)は、IWBIが許可した代替案/同等性を通じて機能要求を満たすための方法があります。LEEDと同様にWELLの要求条件も多くが米国の準拠基準をベースにしていますが、それぞれの要求と同様の成果をプロジェクト特有の手法や各国で使われている基準や方法で代替可能であると証明できる場合に、それらのアプローチを取ることができます。
GBJのWELLワーキンググループはAAP、EPに取り組み、既にいくつかが成立しています。 https://www.gbj.or.jp/well/well-aapep/
(2019年12月)

7-7. WELLで認証されている、清掃資材(ハンドソープ・洗剤) その他清掃資材のリストや規準などございましたら教えてください。

IWBIのWELLv2マニュアルの「マテリアル」の「X11清掃用品と清掃手順」
https://v2.wellcertified.com/en/wellv2/materials/feature/11
の項目に適合する必要があります。 (2024年11月)

7-8. WELL v1 空気⇒23高度な空気浄化⇒パート1:炭素ろ過について  VOCを減少させる為に空気清浄器を使用する場合、aまたはbの要件を満たせば、市販されている空気清浄器(いわゆる家電)の使用でも問題ないでしょうか。

F23-Part 1ではaまたはbの要件を満たせばOKとなります。
b.では家電の独立型空気清浄機でも活性炭フィルターを持ち、サイズが適切であればOKと思われます。(定期的フィルターメンテ必要)

7-9. WELL認証に適合したハンドソープについて教えてください

IWBIのWELLv2マニュアルの「マテリアル」の「X11清掃用品と清掃手順」
https://v2.wellcertified.com/en/wellv2/materials/feature/11
の項目に適合する必要があります。 (2024年11月)

7-10. WELL認証取得予定の厨房で使用する洗剤の基準を確認するため、レストラン、業務用キッチン向けのパイロット版の閲覧は可能でしょうか?

https://standard.wellcertified.com/tables?_ga=2.60140397.1740069986.1547780314-1481006797.1547174398

の中の「Cleaning, Disinfection and Hand Hygiene Product Selection」にある項目をご覧ください。使用する洗剤の基準があります。 また、
Features/Air/Feature 09 Cleaning protocol / EQUIVALENCIES https://standard.wellcertified.com/air/cleaning-protocol?view=equivalency に以下があります。
Post Date: 26 Jul, 2017
Status: Approved
The Eco Mark Program has been accepted for Feature 09, Part 1.
これらを参考に選定頂ければ良いものと思われます。 
なお、WELL v1とレストラン、業務用キッチン向けのパイロット版(無料DL可能)は 以下です。
WELL Building Standard
https://resources.wellcertified.com/tools/well-building-standard-v1/
WELL Building Standard ? Restaurant Pilot Addendum https://resources.wellcertified.com/tools/restaurant-pilot-addenda/
WELL Building Standard ? Commercial Kitchen Pilot Addendum https://resources.wellcertified.com/tools/commercial-kitchen-pilot-addenda/
(2019年12月)

7-11. v1[62]昼光モデリング について。 
1.aとbを両立する自然光導入 装置が存在するのかな?と。「定常的使用空間」はデスク の位置と考えて良いのでしょうか? 
2.また、aの300lx、bの1000lxは机上面照度で良いでしょうか?(鉛直面照度ではないですよね?)

1.「定常的使用空間」(Regularly Occupied Spaceの日本語訳)の定義は巻末のAppendix A: Glossary(用語集)にある通りです。
定常的使用空間: 就業者などの建物使用者が、建物内で特定活動を実行するために 1 日に平均で 1 時間以上使用するエリア。
Regularly Occupied Space: An area or areas where workers or other building occupants perform focused activities inside a building for an average of one hour a day or more.
2.同様の規定がLEEDのDaylightにもありますが、以下の様に説明されていますので一般的にはいわゆる机上面と考えられます。
“The sDA and ASE calculation grids should be no more than 2 feet (600 millimeters) square and laid out across the regularly occupied area at a work plane height of 30 inches (760 millimeters) above finished floor (unless otherwise defined).”
(2019年12月)

7-12. WELL認証の取得にはモニターアーム製品の導入が必須となる旨を伺いましたが、ウェブ上で確認できる資料等が見つかりません。

モニターアーム、昇降デスクなどが関わる内容としては
WELL v2の要件が書かれた日本語の資料 https://resources.wellcertified.com/tools/well-building-standard-v2/
をダウンロード(無料)して頂き、その中で
・V02視覚および身体に関する人間工学(必須項目) (p89-)
・V07アクティブな家具什器(加点項目)(p100)
が、それに関わる要件となっております。 特にV02は必須項目ですので、認証には要件を満たしている必要があります。
(2019年12月)

7-13. GBJのWELLワーキンググループが取り組んで、すでにAAPとして成立していると記載されている ・エルゴノミクス: シートの調節機能に関して: HFES 100 基準または BIFMA G1 ガイドラインの代わりに、日本人の標準的な身体サイズに 適した寸法でも認めてもらう可能性についてより具体的な内容をご教示ください

エルゴノミクスの関するF73のAAPは
WELL v1のF73のAAPタブに出ている以下のとおりで、それぞれの国の体格などの状況により柔軟に対応するとのことです。
Post Date: 06 May, 2016
Status: (Approved)
For Feature 73, Part 3, alternative seat height adjustability and seat depth adjustability ranges may be accepted if the average height of the expected occupants differs significantly from the average height of the US population.

7-14. WELL認証の「快適性」の中に温熱環境がありますが、測定方法などの指定はあるのでしょうか。例えばPMV/PPDによる指標や、WBGTなどです。

WELL v2では「Thermal Comfort」というコンセプト分類の中に 定常的使用空間では -0.5≦PMV≦+0.5 を実現するようにという要件があります。
また、業務用キッチンでは OT(作用温度)<27℃ と言う要件があります。 現地検証の際に、検証の測定者が温度、湿度、MRT(平均放射温度/グローブ球温度から算出) を計測し、風速、クロ値、MET値はデフォルト値を入れてPMV/PPDを算出し検証します。 なおPMV計は使用しません。WBGTも用いません。
要件の詳細は以下を参照ください。 https://v2.wellcertified.com/v/en/thermal%20comfort
現地検証による審査の詳細(測定方法などの指定)は以下を参照ください。 https://resources.wellcertified.com/tools/performance-verification-guidebook
(2019年12月)

7-15. 「WELL Building Standard v1」P137に、「ライブラリ」の設置について説明をされてますが、「使用者20名あたり1点~(20点以上は不要)」と記載されております。この(20点)という意味は、「400名以上の利用施設は、最低20点(冊)の健康に関する本が設置されていればよい」ということでしょうか?それとも(20点)という点数基準が何かあるのでしょうか?

算定の必要数が20点に達すると、人数に関わりなくその20点が必要数の上限になるということです。
つまり400名以上の場合は最大20種類までが必要になります。
なお冊数ではなく、タイトル(種類)数です。 同じ本は何冊あっても1点としてカウントします。

7-16. 「廃棄物の最適な取り扱い」「廃棄物由来の再利用エネルギー生産活用」等が、WELL認証評価のポイントになるか。 事例があるのか。

人にフォーカスした建物の認証「WELL認証」では廃棄物の取り扱いやリサイクルに関する要件は有りません。
建物の総合的な環境を評価する「LEED認証」には廃棄物の取り扱いや、リサイクルの要件などがあります。