2020年2月21日(金)開催
第57回GBJセミナー
今回のセミナーは初めてシリーズのWELL入門編という位置づけにも関わらず、会場で最初にヒアリングすると、WELL認証の中身を「知っている」とうい人が半数もいることが分かり、のっけから関心の高さがうかがえました。
「WELL認証」は2014年に米国で誕生し、日本でも働き方改革、健康経営への関心と相まって、近年急速に注目が高まっています。
そもそもなぜ、人にフォーカスした健康・快適な建物/空間を評価する認証制度-WELLが流行ってきているのか?
前半は、コクヨの大橋真人さんから、WELL認証の背景、概要、認証手順などについてわかりやすい解説をいただきました。例えば、「2つの90%」=「人は生涯のうち90%を屋内で過ごす」「ビルの90%はスタッフコスト」というキャッチーな数字から始まり、WELL用語であるコンセプト、フューチャー、パートと、獲得ポイント・認証レベルの関係、認証プロセスなどが示されました。そして、WELLがビルの設備だけではなく、人事制度や食事といった、本当に人間にフォーカスしているシステムであることが分かりました。
後半は、竹中工務店平井雅子さんから、なんとセミナー当日にオフィシャルに公開された、竹中工務店本店のWELL認証Gold取得の事例をふまえて、現行のWELL認証v2パイロットの10コンセプト+イノベーションの解説。各コンセプトの必要な背景と主なオプション、竹中工務店での取り組みという壮大な話を、コンパクトに40分で語っていただきました。例えば空気や水といった物質の汚染が、健康リスクにつながっていることから、VOCを計測したり、現地審査で水質が検査されることなど実際の認証プロセスの様子が写真つきで解説されました。食物コンセプトでは、実際に新鮮な野菜や果物のサラダバーや、ハーフサイズのメイン料理が社食で提供されるようになった写真など、社食のありようまで変えるWELLの影響力を感じた参加者も多かったでしょう。階段で気軽に運動できたり、ここに!?と思うような机の真ん中から木が生えていたり、驚くような写真もチラホラ。建物を作るときだけではなく、その中に入れる什器、そこを使う会社の福利厚生、社員規則、メンテナンス会社など、本当に多くのステイクホールダーが関連していることがよく分かりました。
QA時間では、「英語が話せないと認証は難しいか?メリットは?Goldにした理由は?」など誰もが最初に聞きたい質問から「EP(同等性プロポーザル)、AAP(代替適合手段)は誰でも出せる?登録前でも出せる?エビデンス資料はどんなものか?洗剤は何を使っているの?」など、実際のプロジェクトの渦中のような質問もあり、時間切れとなるほど活発なやりとりが行われました。
講師の音声付資料
大橋 真人 氏 コクヨ(株)
1.WELL認証の背景
2.WELL認証の概要
(会員限定)
平井 雅子 氏 (株)竹中工務店
3.WELL v2クレジットの概要
質疑
大橋 真人 氏 コクヨ(株)
YouTubeでもご覧いただけます(目次つき)
【目次】
2:47 WELL認証の背景
8:53 WELL認証とは、利用者の健康に焦点を当てた認証制度
11:32 運営管理団体と認証運用機関
12:42 位置づけ
13:51 歴史
15:40 どのようにプロジェクトを評価するのか?
16:47 評価レベル(WELL 認証Ver.2パイロット)
18:08 コンセプト(WELL認証Ver.1とVer.2)
19:59 フューチャーの必須/加点・パート・ポイント
21:44 フューチャーの割合
23:26 WELL認証の伸長
24:50 WELL認証の世界の申請数
25:31 WELL認証の世界の登録数
25:58 日本のWEL認証申請リスト
27:02 認証取得のフロー
28:09 WELL Coaching ContactとWELL Reviewer
29:57 現地審査 (Performance Verification)
31:28 EPとAAP
32:41 WELL審査費用の支払い方法と額
33:57 The Phipps Center for Sustainable Landscapes in Pittsburgh
34:46 WELL認証取得時のメリット
36:21 参考資料
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