2021年1月22日(金)開催
第63回GBJセミナー
【中高生、大学生必見】 こんな仕事があったんだ!未来をつくるグリーンビジネス
2021年1月22日(金)オンライン開催
講師:平松 宏城 氏(GBJ代表理事, (株)ヴォンエルフ代表取締役)
講師の音声付資料 目次
1. セミナー動画
2. 資料 PDF
3. Q&A
4. セミナー動画 完全版(会員向け)
1.セミナー動画
個人情報に関わる部分を削除しています。会員向けに完全版を下部に掲載しています。
YouTubeでもご覧いただけます
【目次】
2:23 【どんな物を買いたい?どんな物を食べたい?どこで仕事をしたい?どんな街に住みたい?】
2:53 【君たちは何に基づいて行動を選択していくのか】
日本の街をデザインし直したい それを仕事にしたいと思った
6:40 LEEDとの出会い
10:38 都市と街の見えない価値を可視化する
15:00 【世界で起きていることを流れとして捉える】
この15年間を振り返ってみる
43:03 【経済のルールを変えたお金の流れを知る】
53:20 【都市と建物をアップデートするという社会課題】
59:57 都市や街区スケールで起きていること
1:19:00【ここからが本番 コロナで加速する変化 見えていること いないこと】
1:27:07 【国際認証基準と日本版 日本のSDGsの出発点】
1:32:05 コロナ禍で広がる格差 あなたの仕事で社会正義を
1:35:25【学校の内と外で学ぶこと 学生オピニオンチャレンジ Arcスクール】
1:39:20【モノゴトを決める価値軸 の専門性を獲得しておく 豊かな人生の処方箋】
2.資料 PDF
GBJこんな仕事があったんだfor_HP
3. Q&A
Q1. 今のお仕事をして来た中で、一番嬉しかった事はなんですか?
お客さんに喜ばれることです。認証取得を目指す中で、クライアントとプロジェクトチームが一体となり、認証確定の段では、お客さんと一緒になって喜び合える。
Q2. 地球温暖化は本当に人間のせいですか?
科学的に根拠があるのかどうかが歴史的に問われてきた。人為的な活動による影響の可能性が極めて高いことが、IPCC第4次評価報告書(2007)で示された。「気候が急激に変化している。この気候変化が人為的温室効果ガス排出によるものであることは、科学的に疑う余地がない。このままの排出が続けば、人類の生存基盤である地球環境に多大な影響を与えることも明白である。」
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/message_main.html
IPCC:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
Q3. 2015年にSDGsができたのに、最近になってやっとその言葉を聞くようになりました。残り約10年で達成するためにどうしたらもっと普及すると思いますか?
日本は世界に比して、SDGsの取組みは少し遅れている印象だ。産官学ともに総論は賛成しているが、具体的にどうやって実行するのかは模索中。政府は昨年暮れに脱炭素を目指す目標を掲げたが、それ以外(格差、貧困、女性の働きやすさ等)はどうなのか。後で触れたいと思います。
Q4. 都市の再開発にともない、スラムクリアランスやジェントリフィケーションが問題になってくるかと思います。LEEDはその点についても評価基準がありますか?どのような対策が必要だと思われますか?
大規模再開発によって金銭的に余裕のある人しか住めなくなり、多様性が毀損する。それを防ぐためにアフォーダブルハウスが必要だという話をした。LEEDでは、無理なく住めるアフォーダブルハウスが整備されている比率で評価・加点される。日本にはアフォーバブルハウスの設置を促す制度がない。福祉と住宅政策が乖離している。よって日本のLEEDプロジェクトではほとんどポイント取得ができないが、先駆的な事例も出始めてきている。
Q5. グリーンなビジネスはさまざまな業界・国に普及しているということですが、まだ認識が足りていない分野や地域などは何であるとお考えですか?またこのビジネスの今後の課題を教えていただきたいです。
グリーンなビジネスを形にすることができる人材がいないことが一番の課題。グローバルに標準となっているものを理解して適用できる人が少なすぎる。グリーンの知識は武器になる。
Q6. walkableが導入しやすい街として小規模な街(移動範囲が広くない)場所かなと思いました。反対に車での移動が主流で、公共交通が発達していない地方都市や過疎化の進む地域ではどのように導入されていくと思いますか?
ヴォンエルフは浜名湖のそばにサテライトオフィスを作ろうとしている。駅から離れれば車が必要という現実はあるが、地方でも公共交通機関に近接した地域を選択することはできる。また、都会から郊外に行こうという企業は多くなっていると思う。コミュニティの意向を定年に汲み入れながら、少しずつ現地をサステナブルに作り替えていきたい。
Q7. アメリカや日本など先進国でのLEEDが適用され、開発が進んでいるようですが、発展途上国のようなまだまだ街が発展していないような国でLEEDは適用されないのですか?
発展途上国では同種の認証システムでEdgeなどが使われており、ハードルはLEEDほど高くないがよく使われている。
Q8. 都市部を中心に環境に配慮した建物が多い印象です、地方や既にある建造物が環境を配慮したものになるのは、まだまだ時間がかかるのでしょうか?
下記の質問 Q9.で回答
Q9. 東京などの大都市では、住んでいる人も多く グリーンビル認証で魅力的な街区が増えてきているように感じましたが、地方の小さな都市では、活力もなく衰退していく一方な気がしました。 サステナブルな資金調達の流れが、日本の地方創生にも繋がれば良いなと個人的に思いますが、グリーンビルが地方創生にも貢献した事例や可能性はあるのでしょうか?
あります。大阪、金沢、札幌、福岡など、地方にも普及しているが、現時点では地方でも取り組みは大都市中心であるのは事実。でも流れは変わってきている。グリーンビルディングは、新築時の設計性能をスナップショットとして評価するのではなく、建物をきちんとメンテして直すべき箇所を直しながら運用すれば既存ビル版の認証はとれる。継続的に、モニタリングし続けるプラットフォームであるArcが日本でも使われ始めるので、今から正に始まろうとしている所。
Q10. 自然や経済、コミュニティーを重視した建物は、動物などにも配慮しているのでしょうか?環境に配慮しているので森林を伐採し建設していることはあまりないと思いますが、アスファルトで車などにひかれた野生動物などを見ると動物に配慮した建築ができないか気になります!
生物生息域をきちんと守りましょう。且つ、過去に壊してしまっているのであれば、かつての開発前の状態に復元しようという仕組みは評価されるようになっている。
Q11.このような評価が一般的になることにおいて、評価の妥当性はどう担保されているのでしょうか?
技術の進化に合わせてバージョンアップはされ、厳格化されてきている。陳腐化はしていないと思う。
Q12. 補足させていただきます。LEEDなどの基準が一般的になってきているので、どうやってその公平性や妥当性が作られているのか気になりました。
LEEDと同様のグリーンビルディングを評価認証するツールは昔から多くあった。LEEDは導入から25年ほど経過しているがLEEDの性能評価について過去には訴訟が行われたこともあるが、そのような市場の洗礼を受け、また他の評価制度が淘汰される中で残ってきている。厳しい競争と選別を経て、公平性・正当性・妥当性は担保されていると思う。
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