第78回GBJセミナー
[AGC株式会社 鹿島工場 見学会]
2024年4月19日(金) 現地開催
会場:AGC株式会社 鹿島工場(茨城県神栖市東和田25番地)
講師:田中晶子様 AGC株式会社 化学品カンパニー 機能化学品事業本部環境企画G
新井太吉様 AGC株式会社 建築ガラス アジアカンパニー 持続的経営基盤構築グループ
古島秀啓様 AGC株式会社 建築ガラス アジアカンパニー 日本事業本部 新市場開拓部 スマートガラス
1. 開催レポート
AGC 鹿島工場 事務棟 サンジュール SUDARE
AGC 鹿島工場ショールーム プレゼンテーション&QA
2024年4月19日(金曜日)にAGC 鹿島工場の現地見学会を開催しました。
当日はセミナーWGメンバーを含めてGBJ会員14人が参加しました。
AGC 鹿島工場は、1975年、ソーダ製品、有機化学製品の製造を開始し、1981年には世界最大規模の建築用板ガラス製造設備が稼働し、総合工場としての歩みを始めました。その後、フッ素系ファインケミカル、高機能ガラス等へ活動領域を広げ、たゆみない成長を続けています。
今回の現地見学会では、高機能ガラスの製造ラインを見学し、グリーンビルディングに貢献する、環境配慮製品(EPD認証取得)の板ガラスの紹介、ガラス一体型太陽電池モジュール「サンジュール SUDARE」、またZEB(ゼロ・エナジー・ビル)を目指した省エネルギーを実現した事務所棟などの見学を行うことができました。
板ガラスの製造工程では、まず原材料投入口に、珪砂、ガラスカレットにソーダ灰、苦灰石を調合した原材料を投入し、溶解槽でバーナーの炎により、約1,600℃以上に保たれた窯で、ガラスをどろどろに溶かし、その後、清澄槽でガラスの内部の泡を抜き、成形に適した温度(約1,100℃~1,300℃)に下げます。実際に溶融している窯をのぞくこともできました。
参考:製品の開発・製造 – AGC Glass Plaza (asahiglassplaza.net)
その後ゆっくりとガラスを冷やし、冷えて固まったガラスを必要な大きさにカットします。
製品製造時に発生するカレット(ガラス屑)をガラス原料として再投入して、再利用しています。ガラス原料と混合して使用することで、珪砂、ソーダ灰などの天然資源の消費を削減できます。また、天然原料を溶融させるよりも、カレットを再投入することで消費エネルギーを減らすことができます。その為、カレットの利用促進はGHG排出量削減に大きく寄与しています。製造時及び卸売先で発生するカレットの再利用に加え、建築廃材からのカレット再利用の促進が今後の課題で、利用促進はGHG排出量削減に大きく寄与するとの事でした。
その次に、機能ガラスの製造工程で、コーティングとしてスパッタリング・スプレー・塗装技術を駆使し、さまざまな機能を付加し、また、合わせガラス、強化ガラス、複層ガラスの生産をされていました。複層ガラスの典型的なものとして、Low-E(低放射型)ガラスがあり、高い可視光線透過率を持ちながら、高断熱性能と高遮熱性能を併せ持つペアガラスで、直射日光による熱線をカットして夏場の冷房負荷を軽減し、冬季は室内の暖房熱を逃がさないエコガラスとして活用されています。
合わせガラス、Low-Eガラスの応用製品として、2枚のガラスに発電セルを封入した合わせガラスタイプ、または合わせ複層ガラスタイプの建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール」がありました。
ガラス工場の見学の後、AGC 鹿島工場 事務棟で、建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール」についてのプレゼンテーションがあり、建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール」の特徴、施工事例の紹介がありました。
最後にQ&Aではいろいろな質問が出ました。まだ質問したりない方もおり、アンケート等でも追加質問を受け付けました。
参照:気候変動問題への対応 | サステナビリティ | AGC
建材一体型太陽光発電ガラス(BIPV)「サンジュール」 – AGC Glass Plaza (asahiglassplaza.net)
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