レニー・クリステンセン博士はメンタルヘルスの分野で20年以上の経験をもち、WELLのマインドコンセプトのリーダーである。2017 年からメンタルヘルス応急処置サポートについての講師も務めているが、メンタルヘルスと私たちが大部分の時間を過ごす屋内空間の関係についてIWBIと対談を行った。
人々が都市部に住み、屋内で過ごす時間が増えるにつれて、建築環境は私たちの精神的健康にさらに大きな影響を与えている。その相互作用について、精神的健康に影響を与えるいくつかの環境要素を特定することに成功し、その知識を建物の設計に組み込む取り組みが進められてきた。例えば、私たちは自然環境の中で時間を過ごす利点を理解しており、建築設計にバイオフィリアを組み込むための努力をしてきた。つながりやプライバシーなど、人間の基本的なニーズは、建物の設計と運営においてさらに取り組むことができる分野であると同時に、学際的なアプローチを必要とする難しい作業でもある。
世界中の多くの人々は、時間の大部分を「仕事」に費やしているが、多くのワークスペースでは、効率や経済性が設計の意思決定プロセスを左右し、生産性を発揮すると期待される人々のニーズを理解することにあまり力が注がれていない。だが、健康的なスペースを提供することは、もはや「あればいいもの」と考えるべきではなく、贅沢品でもない。健康的なスペースは基本的人権であり、建物の所有者、開発者、設計者は、居住者に害を及ぼさない場所を提供するという道徳的義務がある。WELL の科学的根拠に基づいた機能は、そこで過ごす人々の健康と幸福に貢献し、総合的には人々がコミュニティに積極的に貢献し、より持続可能な世界を生み出す環境を作り出すことができる。
IWBI 記事 原文(2023.5.17):
https://resources.wellcertified.com/articles/spotlight-on-mental-health/